中土佐町「地産復興・福祉交流施設整備事業プロポーザル」計画案

1、港に向かって大きく眺望を確保した雁行型のおおらかな施設
 最も眺望の良い北側の港に向かって、施設の長手方向を向ける事で、大きな眺望と施設の正面性を演出していますまた、北側 の港に面してイベント広場設け、その広場を囲うように雁行型に屋根を配置することで、観光客、地域住民に対してオープンな施設としての雰囲気を作り出します。施設は出来るだけ北側へ寄せて配置し、山の陰による湿気を出来るだけ避けるように配置しています。

2、地場産桧材、石、鉄などの自然素材を多用した親しみ易い施設
 海に近接した敷地は塩害の恐れがあり、木材、石、コンクリートなどの自然素材を主材料とし腐食に強い建築を目指しています。風景に調和させる為、高知の海岸沿いの集落や蔵をイメージし、石垣と木造の瓦屋根の雰囲気を取り入れました。具体的には、大空間は、木構造と鉄の張弦材で軽快感を演出します。また、水廻りや温泉施設、厨房空間は、鉄筋コンクリート造に石積みの仕上げを施し、和の雰囲気でありながら現代的な空間を創出しています。

3、可変性、冗長性のある空間で多様なイベントに対応できる施設
年間の多種多様なイベントに対応できる施設とする為、空間を出来るだけ限定しない大きなイベント広場を設けています。また雨天対応の屋根の張出し庇や大屋根空間は、外部広場と連続して使用できるため、多様なイベントに対応できます。施設の北側に駐車場を設けないため、視界を邪魔せず、海と一体となったイベントが可能となっています。

4、避難経路を中心動線としたゾーニング中土佐久礼港の象徴となる場所
施設の中心に広い避難動線を設ける事で避難経路の視認性を高め、施設自体が地域避難経路になるよう計画しています。施設のゾーニングは、西側に賑わいゾーン、敷地奥にあたる東側に落ち着いた施設のゾーンと特性を分け、分り易い施設配置としています。また、避難動線は中心に設けている為、それぞれの施設からの避難距離をなるべく短くする配置を計画しています。