千田 涼苗

2002年神奈川県生まれ。
 幼少期から現在まで続けているバレエは、好きという気持ちを原動力に続けてきましたが、時を重ねるにつれ、自分のアイデンティティになっていると感じています。クラシック音楽、オペラ座、宮廷文化といった西洋の古典的で威厳ある伝統に魅力を感じるきっかけになり、大学では主に18〜19世紀にかけたイギリス文化を専攻していました。学生時代は舞台芸術に限らず、食や衣服、生活様式といった諸文化に興味を持ち、“なぜその土地に根付き、人々に受容されてきたのか”“なぜ時代の変遷を経てもなお継承され続けているのか”といった視点から文化を学んでいました。美麗なものから奇妙なものまで、その背後にある人々の営みや価値観に触れることは、史実の理解にとどまらない、「人間味」を実感できる魅力があると考えています。
 このような背景から、私は建築学とは異なる分野を経て入社しました。建築に対しては、物理や数式に基づき成立する極めて論理的な印象すら抱いてまでいました。しかし入社後、社内で目にしたのは、単に空間や構造を設計するだけではなく、その土地の歴史や文化、人々の営みに寄り添いながら建築を生み出していく姿でした。
 働き始めた今、無知ながらに、建築には地域性を読み解きながら、新たな暮らしの在り方や価値観を提案する力があると日々感じております。人々の行動や習慣に影響を与え、時には新たな文化の芽吹きを促すことさえある。その可能性に大きな魅力を感じると同時に、建築を創り出す根底には、技術や知識だけでは語り尽くせない、人への深い眼差しや思いが存在していると、文化を学んできた身としては、その点が親しみやすく、強く惹かれています。
 EAAの一人として、自分は何に貢献できるのか。その問いと向き合いながら、自身の強みを模索する日々です。